失敗しない新規事業部の立ち上げ方➆新規事業部立ち上げの際の上申ポイント

SEEDATAではこれまでも、新規事業を進めている企業からご相談を受けて参りましたが、近年さらに、新規事業、新価値を創造したいという企業が増え、その際の新規事業部の進め方や制度の設計方法について質問される機会が増えてきました。

当連載では、これまで多くの新規事業創出に関わったSEEDATAだからこそ見えてきた、新規事業を立ち上げる際に担当者が陥りがちな失敗や、不安点などから、新規事業立ち上げのポイントを項目ごとにまとめ、イノベーションを進めていきたいみなさんの一助になればと考えています。

 

これまで、新商品・新サービス進める際に気をつけるべき点、新規事業と新商品・新サービス開発の違い、予算の組み方、役員の心構えについてお伝えしてきました。

第7回目の今回は新規事業を進める際の上申のポイントについてSEEDATA代表の宮井氏にお話を伺いました。

失敗しない新規事業部の立ち上げ方①「アイデアも人材も経験豊富な外部の人間を入れて新規事業を回していくべき」
SEEDATAではこれまでも、新規事業を進めている企業からご相談を受けて参りましたが、近年さらに、新規事業、新価値を創造したいという企業が増え、その際の新規事業部の進め方や制度の設計方法について質問される機会が増えてきました。 当連載...

まずは成功事例をたくさん集めて資料に盛り込む

まず、これまで自社に新規事業部がなく、どういう部署にするかという立ち上げの段階においては、ほかの会社の事例をひたすら集めます。

集める事例の種類は「成功例」と「制度、仕組みの例」。よくとりあげられるのはサイバーエージェント、リクルート、ミスミ、パナソニック、トヨタなど日経平均に入っているような大手企業の例と制度です。取り入れる例はBtoCでBtoBでもいいので、なるべく大手の例を入れること、また、自社の業種と規模に近いものを探すことも重要です。

あとはA社とB社が組んでこんなことをやっているというオープンイノベーションの事例も調べて入れましょう。とにかく事例を豊富に入れ、世の中は今こんなに新規事業やイノベーションが盛んで熱心になっているということを盛り込みます。

また、Googleトレンドも関連するキーワードが多く検索されているのでオススメです。

具体的にどんな資料にすべきかですが、何社かヒアリングに行ってみてもいいし、SEEDATAでもお力になれます。

その後、予算の立て方や期間をきちんと整理して出すことで、新規事業に必要な自社の社員は何人で、外部の人材が何人必要で、どのくらいの規模の群を作っていけばいいかがわかるので、役員の方も納得して、いきなり「100億の事業を作ろう」とは言わなくなります。

世の中にこんな成功事例があるが、そのほとんどは多産多死で、小さな群れを作って大きくしていけばよいと分かれば安心できるわけです。ただ、そのときに先にテーマを作るべきというのは強調しておきましょう。

役員の方が知りたいことは、何人くらい自社の人員とコストがかかるのかということです。

1000万なのか1億なのかざっくりした予算と、必要な人員数は早い段階でイメージをもってもらったほうがよいので、早めに伝えることで、役員の方からは会社を説得していくためにはどんな資料が必要という適切な指示がもらえます。

事例をヒアリングしながらひな形を作っていくことが大事です

事業アイデアにはロマンとソロバンが必要

新規事業の立ち上げだけではなく実際の事業アイデアを上申しなくてはならないケースもあるかと思います。その場合、ひとつの事業アイデアにロマンとソロバンがどっちも入っている上申資料が好まれます。

よくありがちなのはソロバンだけしっかり入っているパターン。たとえば「シニアの人口はこれだけいて、アクティブシニアはこれだけ増えている、だからシニアのビジネスをやるべきだ」とその下にいきなりシニアビジネスのアイデアが載っていているようなもの。

シニアと一口にいっても色んな人がいて、いきなり全シニアが使うようなものは作れないのに、具体的にどこから始めるかがいきなり思いつきになってるんです。

マクロ的な話はあってもいいのですが、単にソロバンをはじいただけになっていて、こんなにシニアの人数がいるといっても、どんな事業もひとりのユーザーから始まるわけで。

魚群探知機で大きな群れがいるということと、その群れを捕まえられるということはまったく別。魚がこれだけいるではなく、この魚を捕まえられそうかとか、この魚を捕まえたいという部分がロマンです。通る上申資料はこのロマンの部分がちゃんと入っています。

ロマンにはふたつあって、ひとつはその担当者でしかできない経験が生きていたり、その会社ならではの培ってきたものがあるかどうか。オンリーワンやオリジナリティとの関係ですね。

もうひとつは、サービスのプロトタイプとビジネスのプロトタイプを回すという話をしましたが、とくにこんな人がお金を払ってくれたという、ひとりの熱いお客さんを描けるかどうかで、ソロバンがいきいきとしてくるんです。

このふたつがしっかり入っている上申は通りやすくなります。

さらに大事なのは、向こう3ヵ月~半年くらいの行動計画がついているもの。これは担当者の熱さのあらわれなので、何なら具体的に1日、1週間ベースではっきりしていることが大切で、こういうことをすれば変わるはずという具体的な行動計画におちているものはすごく通りやすくなります。

そして、初期の立ち上げ戦略がちゃんと練られているもの。0⇒1にするところがやはりいちばん大変なので、そこがきちんと練られているかどうかは重要です。

立ち上げの3か月~半年くらいを具体的にするとか、お客さんをすでに捉まえてきているとか、立ち上げがスムーズにやれるかどうかはすごく大事なので、上申書の中で立ち上げ戦略だけ切り出して書いてもよいでしょう。

あとはサービスのプロトタイプを回すと出てきますが、リーンスタートアップでMVPとよばれるものがはっきりしているもの。こういう価値をお客さんに届けて、こういうお客さんが実際にお金を払ってくれて、立ち上げ戦略はこうするという、お客さんの熱さと個人の熱さ、そういうロマンの部分が入っているものは通りやすくなります。

このロマンの部分があれば、ソロバンのところはあとからでもついてくるものです。ソロバンの部分はあくまでも世の中の大きなマクロトレンドに乗っているかどうかという追い風のところであり、ロマンンのほうが大事なんです。

「未来のことはわからない」ということは役員や社長がいちばんよく知っていることなので、それよりも、どれだけ詰めて考えているかという本人の熱意を最終的に見ていることが多いですね。

その熱さを行動計画やフィージビリティスタディの結果で伝えられるかどうかというのが、通る上申書のポイントになってきます。

 

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新規事業を立ち上げの際に担当者が陥りがちな失敗を項目ごとに解説(全25ページ・493KB)

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